1年半で初めて出ることができた練習試合が終わった後、私はしばらくうつむいたまま、下唇を噛み続けることしかできなかった。
数え切れないほどのアザやすり傷を作ってきたことも、手のひらを血だらけにしつづけた日々も、現実の前では無力だった。
家に帰ると、しゃくりあげる私を見て、大学生の兄が何も言わずに背中をさすってくれた。
「その想いをぜったいに忘れちゃいけない。次にやり返すためのバネにするんだ。」
一時間後、私は家の庭に出てバットを振り続けていた。 次の試合は絶対にヒット打ってやる、という思いだけを強く胸にいだきながら。
けいとさん、こんにちは。 今作の主人公は、野球少女なんだね! 根性あるし、逞しいっ!! 「その想いをぜったいに忘れちゃいけない。次にやり返すためのバネにするんだ。」 この子の兄さんの優しさが、たまらない😆 ストーリー、楽しかったよ!