抜け落ちていく記憶
埋めてきた心の数々
稚拙な文でもファイリング
溶け落ちていく記憶
捨ててきた心の数々
いっぱいになって詰まったここに
あなたは埋もれている
疎ましいあなた
大好きで大嫌いなあなた
いつまで僕の首を絞める?
早く消えちまえ
涙雨如きでこの泥は落ちぬ
嗤えよ。
僕はあなたの顔はおろか、
名前さえ覚えちゃいない。
なのに、その手の感触は覚えてるんだ。
鶏の脚みたいに細かったな。
なぁ、あの日どうして頭を撫でた?
なぁ、いつも通り笑ってくれよ。
どうして
抜け落ちていく記憶
ゴミ箱の中の破片
拾って指切り 血を啜る
手放せない記憶
性悪の中の破片
いっぱいになって詰まったここに
あなたは埋もれている
何度振り返ろうと
今更手を伸ばそうと
汚れた手が掴むは塵芥
おねがいです。
大嫌いな世界の一部にならないで。
永遠に僕という罪人の足枷となれ。
あなただけは忘れてはいけない!
きっとあなたは僕を覚えていないでしょう。
それでいいのです。
そうであってください。
たのむから
あぁ、くだらない
早く消えちまえ
忘れたくないと叫ぶエゴと共に
みくろうさんへ
忘れようとしても忘れられない、憎もうとしても憎めない ... 作者と、記憶の中の "あなた" との間には、目に見えないけれど、たしかに、けっして切ることができない絆があるんだなと、私にはそう感じずにいられません。
誰にも人それぞれに、そんな切れない絆があると思います。
その絆が、単純であっても、複雑であっても、私は、絆の人たちに対して、ありがとうって言いたいです。 もう会えなくなってしまった人、もう会えそうもない人にも、ふと思い出したら、元気でいるかな、幸せでいてくれたらいいな、と今はもうそんな気持ちしか無くなってしまいました。
みくろうさん、あなたの素直な心の叫びともいえる、この詩の中の "あなた" が、どれほど優しい人であったか、それが痛いほど伝わって来ました!
あなたが、その人を愛するのと同じくらいに、優しいその方もまた、ふっとあなたのことを思い出された時は、あなたがお元気であるよう願っていると、そう私には信じられます。
熱い、愛のうたを読ませていただきました!
YUMENOKENZI