光り物ばかりの収集に勤しむ従者は
女王蟻が寵愛する者の一人
金椿象に、黄金蟲、玉蟲は言わずもがな
塵蟲や斑猫も守備範囲という凝りっぷり
光を忘れた女王に対し輝きを触れ込む事
並大抵の口振りでは叶わず
大層苦心したというが、それも今は昔
食料調達や巣の修繕に尽くす朋輩に
穀潰しと罵られようと
加工屋に深く嘆息されようと
つけ目の為には手段を選ばなかった
時は満ち、蟲で綺羅を飾った女王は
光を浴びんと巣穴から這る事を企てた
巨大なる体軀を通すための突貫工事は
女王の眼前で繰り広げられる事となった
膨れ返った腹部に潰されたはらからを超え
厳かな送迎を背に境界をくぐると
華光に包まれた女王は茫然自失
隙をついた柔らかな翼が女王を包み、
奇術の如く消し去った
あくる朝
煌めくペリットを覆うぬらぬらとした体液が
陽光に怯えていた
従者は不適な笑みを浮かべた
孤海さん、こんにちは。
うーん ....!
それが自然界の摂理とはいえ、身近にいる者への悪意に、自分は拭いがたい憎悪を覚えざるをえない読後感でした!
しかし、なんとドラマチックな掌編物語詩であることでしょう!
昆虫たちや、鳥などが織りなす社会生活への観察眼を持って描いた、すこぶる見事な寓話作品でした! さっすが!!
孤海さん こんばんは
働き蜂と女王蜂のいじらしいほどの関係を見事に描かれている詩だと思いました。
どんなに優遇されても卵を産み終えた女王蜂の死の様子がとても切なく感じた詩です。