何処にもいかないでと
幼子のように縋り付く
君の瞳に浮かぶ涙を拭う
哀しみの色が滲む姿は切なくて
強く抱きしめ頭を撫でる
「大丈夫、何処にも行かないよ。
私はあなたのそばにいる。
決して離れたりしない。」
君の耳元で決意を語る
君の瞳は不安に揺れる
信じたいけど信じられない
そんな色が瞳に滲む
君は我儘を言って私を困らす
「本当ならずっと抱きしめてよ」
私は君を壊れないようそっと抱き寄せた
「いいよ。ずっと抱きしめて離さない。
望みを叶えてあげる。」
不機嫌な子猫みたいな君を抱きしめる
「幸せすぎて不安になる。失いたくない。」
私の胸で泣きじゃくる君を抱きしめて
自分まで泣いてしまいそうだった
「君の気持ちはよく分かる。
私も大切な人を失ったことがある。
だからその気持ちはよく分かる。」
顔を上げて驚く君の瞳はまん丸で
「僕と同じなの?一緒?」と聞いた
「一緒だよ。痛かったよね。
辛かったよね。寂しかったよね。
でも大丈夫だよ。私がいるから。」
そう言って君を強く抱きしめた
君の姿は大人でも
心は傷ついた幼子のまま
私と同じ痛みを抱えて生きる人
だから癒えるまで抱きしめよう
「一人にしないから、大丈夫だよ。」
私は君に何度も誓う
君が乗り越えるしかないと知りながら
私が君をどれほど想っているか
いつか伝わるその日を信じ抱きしめる
君は私の手を振り払い離して
いつか私の心を壊すかもしれない
それでも構わない
君を愛しているよ
うるうるしてきました。素晴らしい✨