灰色の路地に落とされる蝶の影は
姿を現しては消える
大きな背をした娘の
焦点合わない目は、
独立した生物のように影を追う
響く金切り声を道横の木々が吸いつつ
娘は目の奥に焼き付いた影を
チョークを使いコンクリにうつしていく
チョークの身は削られていき
地面は彩られていった
どの色も今や消しゴムの成れ果てのような欠片
娘の指は地面に強く擦り付けられ
指に血が滲んだ
割れてしまいそうなほど強く
己の頭を叩くと
娘は家へと逃げ帰った
地に描かれた蝶の群は
辺りを覆い尽くしている
ステンドグラスのような
小片で描かれた蝶の翅は
付近に咲く花の色のように優しげで
上空を舞っていた蝶が
下品に見えてしまうほどだった
下を向き歩く人々は次々と
描かれた蝶に気づき撮影していく
蝶は電脳世界へ
一匹また一匹と飛び立っていった
孤海さん、こんにちは。
この物語は何を表しているか、難しいです。。。(;'∀')
心悩める方が描いた絵をみんなが楽しんでいるイメージでしょうか。。。?
でもこの難解さが、クセになりかけてます。