見渡す限りの
涼やかな朝の恐怖である
舐めたらまだ夜の味がするコンペイトウの砂漠
に棲むモフネコが眼ヤニをふきふき起床するや
いなや頭蓋が核爆発しくさった
蒼天にエレクトするキノコ雲はごっつう禍々
しうてドモならん 骨灰まみれのコンペイトウ
が草原に七日七晩降り続けたという
千のモフネコの千の首は千万の弾頭に増殖し
て極超音速ミサイルに装填すると無数の瞳孔が
縦に光り出しました
それで、エレウシスの
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ秘儀的核実験は成功したの?
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ次は千のヒトでやってみる?
あなたは高まる動悸を抑え切れない
口角から泡混じりのヨダレを垂らしながらノー
ズクリップを装着して瀝青の海を大汗かいて背
泳している眼ン玉かっ開いて
ミサイル噴射は脳天の渦巻きを逆回転させ無
色透明無味だけどひどい腐臭のする穴を開けて
その中であなたが飼育した鍋島藩のモフネコは
キノコ雲のエキスを吸って孵化する
あなたも真夜中に
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤあんどんを舐めるの?
ざらざらの舌で
液晶画面を舐めるの?
海が果て砂漠が果てる処で
屍骸となった都市のハイウェイを疾駆するフェ
イクの太陽に溶かされて ネバネバと糸を引く
繭の中からモフネコ又に劣情するあなたが撒き
散らす放射性物質ゼノンの華
発赤した湿疹
じゅくじゅくと黒化する地衣類の
全世界への自由闊達な感染
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤあなたの尻尾は三つに裂けている
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤちぶさも九つに裂けてゆく
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ跳べ! パライソへ
うっとーしい核爆発と
ミサイルの廃野で
ほがらかにM字開脚を決めるあなたの
モフネコ怪猫伝
ニャ~コラ、、
コメントありがとうございます。実はこの詩は、もう10年近く前、NK国が3回目くらいだったかの核実験をやった頃に書いたものが元になっています。
その頃の、何とも言えない気色の悪さと不安が反映したのか、作品も拙さにキモさが加わり、どうにもならんなこれはと思うようなものでしたが、今回はこれでも言葉使いをフツーに近付けて推敲してみました。
いま、この詩を書き直そうと思ったのは、YUMENOKENZIさんが仰るとおりで、世界情勢がとみに危機的になって来ていることに刺激されてのことだろうと自分でも思います。
結局、自分の不安や胸騒ぎを宥めようとするものでしかないのでは?という自問をいつも持ちつつ、これからも心が動いたら書こうとするのだろうと思います。ありがとうございました。