僕は知らなかった。
自分が太陽も知らないこと。
歩く地面も知らないこと。
知っているのはただ太陽を見る目だけだった。
また地面につける足だけだった。
僕の太陽は本物の太陽とは別のものだろう。
それでも僕がここにいるのは確かなことだ。
僕がすべきことは本物の太陽を知ることではない。
いたるところに転がっている幸せの種を見つけることだ。
見つけた種に水をやって育てることだ。
温かい声掛け。
笑顔が呼ぶ笑顔。
道に咲く草花。
鳥や虫の鳴き声。
育った種はやがて大きく育ち、本物の太陽の光を受ける。
そして僕の心を満たし、より大きな幸せへと導く。
その時に僕はようやく知るだろう。
本物の太陽がどんなものであったかを。
コメントありがとうございます
私の詩という贈り物を受け取ってもらえて嬉しいです。