黒猫
彼女は輝く銀河の闇から生まれた
しなやかな体と誇り高い仕草は
僕を魅了して止まない
彼女は時々風や蝶に姿を変える
窓から外を眺めていると思ったら
ひらりと身を翻し黒いアゲハになり
庭の草花の上を飛び回っている
そして飽きると僕の足元に来て
みゃーみゃーと甘ったるい声で話し掛ける
僕が彼女のビロードのような身体を撫でると
二度ほど触れるのを許すが
三度目はするりと僕の手を躱し
その小生意気な鼻を天にむけ
長い尻尾をピンと立て
まるで貴婦人のような気取りで歩き去り
またアゲハになって飛び出した
優雅にひらひらと舞っていると思うと
風の様に素早い奴で
もう僕のベッドの上に居て大きく伸びをした
黒猫の優雅でしなやかな動きそれを目で追う作者の優しい目に安らかな平和を感じます。
そしてそれは読者の心をもこの詩の世界にいざなってくれる…とても素敵な詩だと思いました。
いつまでもこんな平和が続きますように…と祈りたくなるような詩でもあります。