二次元に囚われし女精(ニュンフェ)たちは平和を司る
連絡通路の壁に所狭しと貼られた架空の広告は
混雑する狭い通路の争いを防ぐものだ
広告に描かれた、夏限定で排出される設定の
肌の露出が多い女精たちは
群衆の視線を奪取し、前方へと誘導する
雑踏は息を潜め、酸素を求めて
一刻も早い通路経過を望むのだ
女精に平素乳房を隠すならいはなく
纏うといえば面帕(ヴェール)のみ
そのため肌との接触面は狭いとはいえ
着ごころに聊かの違和感を抱くらしい
半宵、人々の波は途絶え
勤めを終えた女精たちは
形ばかりの装衣を脱ぎ
広告の奥の常世へと戻る
やわらかな一角獣の毛衣に肌をうずめ
蔦の葉から落ちた雫を顔に落とすと
東洋人のような風貌はほどかれる
絵解の役目を果たさぬ絵解を読み終えた女は
視線を落とす
画題は…
ゆめの様
この詩から、ここまで想像できるゆめの様に感服…。癒やされる側の働く人々はおっしゃる通りで、癒す側が強いられる労働をタイトルにある「つとめ」として書きました。
一応、西洋画と、日本のソシャゲ広告を行き来しなければいけない下級女神を主役にしたつもりでした。しかしながら、いろいろな解釈を楽しんでもらいたいなーと思って書いた詩でもあるので、ゆめの様のコメント嬉しいです!