僕は君のことが好き
君は僕の中にいる
でも僕はここにはいない
だから君もここにはいない
なんて切ない話
君は僕のそばにいるのに
僕はここから遠くにいる
だから君も遠くにいる
僕と君の距離は限りなく近い
でも僕は僕から果てしなく遠くにいる
だから君と僕は近いようで遠いんだ
僕は本当は近くにいたんだ
でも遠くまで来てしまった
生まれた頃は近くにいたのに
年を経るにつれだんだん遠くなって
もう今は遥か遠く手の届かない場所……
まだまだ遠くなる
僕がある日ふといなくなるときまで
ずっと遠くにいるんだ
今も近くにいる
手を伸ばせば触れることはできる
でも一緒じゃないんだ
心は遠くにいる
そう しいていうなら心だ
身体は同じだけど
心は違う
君は心のほうにいるから
遠くのほうにいる
なぞかけみたいだけど
そうなんだ
僕は僕の身体と一緒だけど
心も一緒だけど
心は年を経るにつれどんどん遠くなる
そして僕がいなくなる日に
ようやく戻ってくる
そういうものが人間にはあるんだよ
君もそういうものなのさ
僕と君は人間なんだ
だからきっと生きている間は
近くで遠く
交わるけど同じでない
そんな存在同士にしかなれない
断定はできない
僕はまだここにいる
いなくなるときはまだもう少し先
寿命が尽きるかもしれないし
病気や事故でいなくなるかもしれない
君はそばにいるからいいんだ
寂しいけど満たされている
遠くにいるけど離れていないんだから
禅問答みたいな話だけど
それが限りなく近い答えさ
わからないんだよ
君は僕の心に存在する君
本当の君はここにはいない
まだ出会っていないかもしれない
話をしていないだけかもしれない
運命の話だよ
いつか出会う運命の君の話
もし出会って一緒になる運命なら
もう出会っているはずだ
でもいつ一緒になるかは一緒になってみないとわからない
少なくとも今はまだ君とも誰とも一緒じゃない
問いはあるけど答えがわからない
答えを探しているけど問いが見つからない
それが僕が君と一緒になれない理由だよ
難しい話ではないんだ
簡単なことなんだ
でも簡単に見つけようとすると
とんでもなく難しくなるんだ
それが恋なのかもしれない
それが愛なのかもしれない
僕は男で君は女だ
恋愛って書くよね
恋愛に正解はないんだ たぶん
違うかもしれない
僕は今だにひとりだから
正解を見つけてないから
正解には辿り着けないんだ
いつか正解に辿り着いたとき
僕に君の全てがわかるような気がする
全てを教えてくれなくていい
少しずつでも君のことが知りたい
だからずっとそばにいて欲しい
そうだ もうそばにいるかもしれないね
あの子かな どの子かな
僕の見える範囲で手の届く範囲で
いたらいいのにね
じゃあまたね
わ、うまく言えないけど、、、 運命の人が、すぐそばにいると、そう
信じてる澄んだ心が、とても、とても詩人だ! こんな風な詩じゃない時もあるから 相野さんの詩の、意外性のあるところがまた面白いんだなー
この詩も私は、すごく好きです!
ゆめの