鷲はこうしてプロメテュースになる
青く染め上げられた雲に舌打ちしながら
火の切れ端を喉に詰まらせる
無造作に駆け回る光球に追われながら
ゼウスの子らの名前を数え上げる
「人間ども また電線なんぞ張りやがった!」
プロメテュースはこうして鷲を隠れ処にする
神々の血脈走る断崖を見限って
両脚さえも捨ててしまう
誰に何をもたらすわけでもない雨を夢見て
肉体を空に散らしてしまう
「人間ども まだ火葬なんぞしてやがる! 」
とやかくするうちに
天はまた一廻りして
プロメテュースはプロメテュースに還ってくる