子供たちが整列をしていた
何をしているのだろう
とよく見ると
整列をしていた
身体の隅々にまでしみわたる
雲のように
なだらかで滑らかだった
透明な水を植物にあげて
話すことなどもう残っていないのに
スクリーンには音声がないままの
汗ばんだ映画が映しだされる
先ほどの子供たちはすでに
映画の中に出演していて
よく見ると
整列をしていた
鶴を折るのが下手なので
練習すべきかどうか
迷っているうちに
数年が過ぎた
その間に子供たちは
整列するのに必要な肩幅を
少しずつふわりとさせていった
昨日始まった夏が明日には
終わってしまうかもしれない
一番端っこに並び
隣の子からもらった折り紙で
また一から鶴を折り始める
台があれば良かったのに
映画はいつまでも
夏の場面を往復している
たけだたもつさん、こんにちは。
あなたの中で生まれる独特の世界は、言葉では受け取れなかったから、どこかの国のどこかの小さな美術館で出会った一枚の絵を見るようにしか、私には感じ取れないと思った。
まだ悪意を知らない純粋な子供たちは、何者かに整列させられていたのだろうか。それとも、ごく自然に、"雲のように" 整列していたのか。
繰り返した同じ夏の場面で、作者もまた、何か願いをかけ、鶴を折っていた、その列の中の子供たちの一人だったのかな .....
ゆめの