しと、しと
ぽちゃん。ぽちゃん。
さあぁーっ……
小雨が僕の寝ぼけ眼をうつ
灰空は寛容だ
無遠慮な陽光をそうっとやわらげ
一時の停滞を許してくれる
雨は嫌いだ
薄暗い空を見ていると気分が塞がる
何より渋滞も起こるし服も濡れる
いいことなど何一つもない
誰かがそんなことを呟いた
僕はどうしようもなく悲しくなって
今こうして小雨を浴びている
さも理解者のような顔をして
この音色が聞こえないというのか?
心を鎮める小雨の合唱が
しと、しと
ぽちゃん。ぽちゃん。
さあぁーっ……
やがて終わる合唱に敬意を込めて
調和を崩さない程度の鼻歌を送ろう
優しい音色を壊さぬように
美しいお前達を穢さぬように
あたかも豊かな心があるように偽りながら
烏羽さん、こんにちは。
雨はこんな素敵なところがあるのに、
と思いつつ後ろめたさも混じっている、複雑な心模様を感じらました。
ですが、優しく素敵な詩だなぁと思います。