青藍の罌粟の屑花
天蓋の底、抑留者は
膝を抱え蹲る
極寒には
骸の花が群棲し
蝋化した多翼階段が
途絶え、
蜂窩組織が
棲所へ
みずからの炎熱を硼酸へ押して、
墜落した処女地に
呵責を
観光地たる歿界へ現実を
引連れて
纏わる血縁の異人へ
錆びた肌を
叙じ綴る、
記録される、関係‐個人
國家的暴力、
優生学
そのはなはだしき実験世紀に
潰滅‐懸架され
図像は、
傷痍軍人達の孤独死を
刻々たる砂時計に
収めていた
標本、系譜分類の進化枝篇より
継承たるべき存在を創造した
科学、
実証案に確められ
止りながら進捗を来す
朗朗たる文明に寄せては返す海の
葉音、絹擦れの病み窶れては
摘まれた木綿、
血に染み跳躍せんとする
靴の寓話
継母、缶切
葡萄のつづれ織りを止めよ
立入禁止区域の外に
安寧の代替に
私淑を咎めやらぬ無縁の徒花よ
和解など在らず
冬薔薇の権限を巡る挿話は
希臘列柱の円環に
舞踏符を標し
やがて斃れたやつがれどもの悔悛なき不屈を
放恣且忠実な悪へ花束の機関を、臓腑的死の果に託し、
誓約の基礎
兄妹達を殯宮へ導く
紡錘車の、
軋轢音へと
私にはとても難しい詩でした。今の世の中、人ではなく科学によって物事の良しあしが決まり、その結果として、全体が死に向かっていることを嘆いているような気持ちを感じました。