虚無を見つめる私の前に
あなたは静かに現れた
透き通るような白い肌
カラスの羽のように艷やかな黒い髪
血のような人を惑わす赤い瞳
黒い蝙蝠の羽と尻尾を持った
美しくも妖しい少年
あなたは耳元で甘く囁く
今の苦しみから逃れたい?
僕が手を貸してあげようか?
君の一部を差し出してくれたなら
僕は対価に願いを叶えてあげる?
誰も助けてくれないんでしょ?
だったら僕に願いなよ?契約しよう?
私は彼の言葉に頷いた
彼は満足そうにニンマリ笑った
その契約で瞬間は助かりながら
長期的な代償で私は苦しむ
彼の本当の目的を私は知らない
契約を破棄する方法は唯一つ
現実から目を背けず受け入れて
契約した力を使わないこと
私は彼との契約破棄のために動いた
周りの力を借りて乗り越えた
当時はそれに頼らなければ
生き残れなかった
私はそれを理解している
だが爪痕は確かに残った
後悔と罪と痛みと
パンドラの底に残された微かな希望が
見えない物や感じた事のない感覚を共有するのも詩作活動だと
自分は思っています。
それが恐怖や辛い事で有っても、共有する事で理解が深まり広がれば
恐怖が薄まり、辛い思いを理解して貰える事が可能だと思っています。
今回のすぅさんの作品で依存症の辛さを目を背けることなく共感出来た人は、
少なくないと思います。
これからも一緒に詩作活動を頑張りましょう。