天から降る雨 心に降る雨
濁った水面の表を打つ
縦横無尽に拡がりうねる波紋は
大河を悠然と往く巨大な竜の鱗のようだ
なにか敢えて言葉を与えたくはないような
巨きな意志を 私はここから眺めてる
そのうち世間の音を奪われて
私は一本の樹となった
水面の畔で雨に立つ虚ろな景
葉は打ち震え 枝は低くうなだれて
それでも地中に根を伸ばさんと
しかし心は遠ざかり ただ雨に暮れている
私は私の深層を俯瞰する
巨大な雨に漂うとき
何処かに深く沁み入る安らぎがある
まだまだ上手くは言えないが
それが詩ではないかと思う
不意に鳥の啼く声が
雨の奥を切り裂いて私は我に返り
傘を広げてとぼとぼと
家路に向かうその人の
背中に明日を祈ってる
ムーさん、誰かの背中に人の気持ちを慮って見送り、さあ私も帰ろうかと。お互いに色々と思うところはありますよね。