羽は木の根元に座り
そっと瞼を閉じる
小鳥の囀りが聞こえた
吹き渡る風の羽衣が
羽の頬を軽やかに撫でた
背は木の幹に支えられ
安心して身体を放り出す
穏やかに過ごすのはいつ以来だろうか
瞼を閉ざすと身体の重さを感じた
自覚していなかった疲労が伸し掛り
その重力と痛みに気づかなかった事実に
瞳を見開き羽は恐怖を覚えた
もしあのまま空を飛んでいたら
途中で気絶して墜落していただろうと
影が止めなければ危ないところだったと
影は羽に静かに語りかけた
やっと声が届いたと
羽が無理しないように
ずっと声をかけていたのに
まるで気づかなかったね
生き急ぐと危ないから
気をつけるようにと
羽は影の声に応えて
ずっと声をかけていたのか
まるで気づかなかった
助けてくれてありがとう
申しわけなかったと
影は羽が聞いてくれたから
許すと息を吐きながら伝えた
身体の声を聞くのを忘れるなと
焦ると途中で倒れると
羽に諭すように伝える
羽は影の忠告に応えた
影の声を聞き身体を休めると
毎度協力しあうと約束した
羽と影は木陰の下で
過去・未来・現在について
お互いの想いを話し合って
意見と感情をやり取りして
共通の感覚を手に入れた
息の合わなかった羽と影は
ようやくバランスを取り戻す
羽の疲れが回復した時
影と共に空へと羽ばたくだろう
-インフォメーション-
システムに起因した、いいねアクションの不具合・不整合が認められております。
皆様には、コメントメインに交流されますようお願いいたします。 2024.8.25 20:21