彼は毒薬をあおる前に彼の悪魔と対話を試みた。
つねに彼をさいなみつづけた彼自身の悪魔と。
悪魔は彼をののしった。
犯罪者、詐欺師、エゴイスト、悪人、恋愛至上主義者。
彼は悪魔に高らかに言い返した。
僕は詩人だ、芸術家だ、と。
彼は思いを遂げる前にその後の手はずを整えていた。
遺族の世話は彼の唯一の友に託された。
そしておびただしい数の作品が残された。
彼は悪魔に僕は将来に読者を持っていると言った。
彼は今この国でもっとも名の知れた作家だった。
彼の言葉は完全に証明された。
おそらくは、僕は芸術家だという彼自身の自負も。
けいとさん、おはようございます。
ノンフィクションとフィクションの中間にあるような作風に感じました。
また、以前投稿された『世界でいちばん遠い人』で味わった感覚が再現されるのです。この時、けいとさんは、私のコメントへの返信の中で、生きることの神秘について考えを巡らせることを喜んでくれたのですが ....
こちらの『芸術家の最期』にも同様のテーマが流れているように思い、それで、置かれたテーマから、何かを手探りで調べたり、感じたり..... 思い浮かんだ作家は、芥川龍之介。
彼をモデルにした作品かな? 違うかな? しばし想いを巡らせてみました!
いつの時代も、青年は、自身の宿命に思い悩み、苦しみ、その孤独の闇から抜け出せない時、目の前はもはや死しか見えなくなってしまうのでしょうか ....
たとえ後世に、作家として、芸術家として名を残さずとも、そのいのちの終わりは、ただただ幸せであってほしいと私は、そう願わずにいられません。
ゆめの
まずけいとさんはとても知識の豊富な方だなあとおもいました。
尊敬致します。
「彼は思いを遂げる前にその後の手はずを整えていた。
遺族の世話は彼の唯一の友に託された。
そしておびただしい数の作品が残された。」
UUXは抜粋させて頂きました所から以前家で読売新聞を見ていた時芥川龍之介の幻の遺書が見つかったという新聞記事を興味をもって読んだような記憶があります。
新聞には奥様と子供達と菊池寛と友人に宛てた遺書が見つかったとあったように思います。
「遺族の世話は彼の唯一の友に託された。」
この一行から芥川龍之介を思ったUUXでした。
特徴がとてもよく表現されている素敵な詩だと思いました。
おはようございます。
ある種の才能を持つ方々の自死率が高いと言う話はよく聞きますがはたして一般人と比べてどうなんでしょうね、その人の名前が有名だから目立つとも考えられます。
でも作家で言えば川端康成、太宰治、芥川龍之介、三島由紀夫など高名な方が自ら命を絶っているのは、突き詰めた自身の生き方への究極の選択なのかもしれない、そんな気がします。
私の知人友人、義弟などまだ生きたくても病に倒れた人の事を思うととても複雑な気持ちになりますね、生きる事は苦しい事もあります、でも生きてほしいと願わずにはいられません。
迫力を感じました。
生きるのも大変
死ぬのもこれまた大変
才能のある方の究極のようなものを感じました。
けいとさん、こんにちは。
芸術家の信じる想いの深さに、畏敬の念を感じるようでもあります。
「将来に読者を待っている」は簡単には言えるものではないぁと。。。